日曜日に予定されている「カルメル修道女の会話」のアルテンブルク市立劇場でのプレミエ。それのためのGPが今日の午前10時から予定されていたのですが、これがなんと中止になってしまいました。
パッサウの「サロメ」
金曜日にパッサウの劇場から電話がかかってきて、土曜日の公演「サロメ」のヨハナーンが急病で代わりを探しているが、あなたはヨハナーンを歌ったことがありますね、ということでした。
師匠の70歳の誕生日パーティー
ベルリン芸術大学時代の師匠、ハラルト・シュタム教授の70歳の誕生日パーティーに招かれ、ハンブルクまで行ってきました。久しぶりに会う懐かしい顔ぶれと、つかの間ですが旧交を温めました。シュタム教授に会うのも5年前の退官記念コンサート以来でした。
ローエングリンのHP以来、日記をお休みしていましたが、久しぶりの日記です。ローエングリンのプレミエはゲラのプレミエとしてはかなりスキャンダラスでした。ブーイングとブラボーのせめぎ合うカーテンコールを、僕はここゲラでは始めて体験しました。「考えさせられる」などという距離を置いた態度ではいられないので、正直に言うとかなりショックも受けました。そこから戻ってくるのに時間がかかってしまった感じですが・・・
波乱含みのローエングリン
今日はこれからHP(ハウプトプローベ)です。が・・・。
先週の金曜日に5回目のBO(舞台オーケストラ稽古)がありました。その稽古の冒頭でアナウンスがあったのですが、指揮者とタイトルロールが降板しました。プレミエの一週間前にです。僕はこの二人のかなり近いところにいたし、想像もしていたのだけど、よく知らない人はかなりショックを受けたと思います。ハウスの専属歌手でプリンシパルを歌うのは僕以外にエルザ役に初挑戦のフランツィスカと国王ハインリッヒのベルンハルトだけど、フランツィスカは僕よりローエングリンへの関わりが逆により多いからか、ショックだったのでしょう。稽古中ずっと泣いてましたね。
・・・こういうの、厳密には内部事情であまり外に出すべき情報じゃないと思うけど、日本人しか見ていないサイトだと思うし、まぁ少し書きます。僕としてもこれを置いておいて他のことを書くのは無理なので。
NHKの「ワルキューレ」ハイライト
4月4日にNHKの教育テレビで放映された、東京二期会公演の「ワルキューレ」を録画で見ることができました。日本の皆さんにとっては、もうずいぶん前の話になっちゃいますけど、やはりいろいろ思ったことがあるので、書いてみます。
友人の死
ゲラのシュタイナー小学校の3・4年生担任で、このシュタイナー小学校設立運動をずっと一緒にやってきたガブリエレ・ポルシュさんが亡くなりました。あまりにも急な事で、僕らも含めてみんな愕然としています。彼女は僕らより3歳年上なだけで、まだ44歳でした。学校での関わりだけでなく、僕にとってとても大切な友人であり、仲間、なによりあの大変な設立運動を闘ってきた仲間でした。
雪のイースター休暇
休暇と言っても、僕にとっては全然休暇じゃないんですけどね。連休を含む5日間に4つの本番で、しかも違うオペラを2つ含む3演目。オペラのうちの一つ「ヴァネッサ」は4ヶ月ぶりで稽古無しです。これ、良くないサイクルだなぁ。この稽古無しの再演がいま劇場の中で専属歌手と首脳陣との問題になっているんですね。
そして今年のイースター休暇は・・・大雪です。本当にびっくりしました。今日はそしてOstersonntag。イースター休暇の中ほどにあり、キリスト者共同体の催しOsterbergがある日です。これは前に日記にも書いた通り、何度か参加しているのですが、このOstersonntagの早朝に行われる儀式には参加した事がなく、今回初めて参加しました。
びわ湖ホールの事、近況
友人で演出家である岩田達宗さんから「緊急のお願い」というメールが届いて、何かと思ったら、びわ湖ホールが存続の危機に瀕していると言う事でした。
僕自身も、去年の夏にツェムリンスキー作曲のオペラ「こびと」のドイツ語指導という形でびわ湖ホールとは関わらせていただいたし、なにしろこれまで意欲的で素晴らしい活動を繰り広げてきたこのびわ湖ホール、ぼくに出来る事はさせていただきたいと思って、サイト上にも署名活動の紹介をさせていただきました。
ワルキューレを終えて
二期会公演のワルキューレが、お陰様で無事におわりました。公演終了後の火曜日に飛んでもうドイツに戻ってきています。慌ただしかったです。いつもの事ではあるのですが。
これもいつもの事ですけれど、一つのプロダクションが終わり、一つの役・・・今回はこのヴォータンという一際強い愛着のあるこの役・・・と別れを告げる事で、何だか自分の中が空っぽになってしまったような気持ちになります。現実生活としてはそんな事を言ってはいられなくて、またドイツでの生活にリズムを戻さなくちゃいけないし、カルメル修道女の会話、コジマ、ローエングリンと畳みかけるように続く本番と稽古をしっかりと務めなくては行けませんから、どんどん気持ちを切り替えていなくてはいけないのですが、なかなかきつい作業です。